赤い眼の男

創作の怖い話 File.26



投稿者 ストレンジカメレオン 様





〈自己責任でどうぞ…〉

あるアパートで一人暮らしをしていたOLの話です。

彼女はとてもお風呂が好きで、毎日何時間もお風呂に入っていました。

仕事のストレスや体の疲れなどをお風呂に長時間入ることで解消していました。

入浴剤などお風呂で使うものはほとんどの種類を使って試してきました。

その中でも彼女が好きだったのは、お湯の色が赤くなるバラの入浴剤でした。

彼女は赤色がとても好きでした…

彼女の部屋はやはり壁が赤く、赤いベッド、赤い椅子、あらゆる赤に囲まれていたそうです…

実は彼女の目も赤かったのです…

特殊なことに生まれた時から瞳が黒ではなく真っ赤なのでした…

そのため、小さい頃はそれを理由にいじめられ、大人になっても周りからは奇妙 なものを見るような目で見られていました。

普通の人として見られているように 感じたことはほとんど無かったそうです。

そんなことが影響しているのでしょうか…彼女の赤への執着はとてつもないものでした。

少しずつ彼女はバラの入浴剤の赤色では満足出来なくなってきました…

そこである日の夜、ある物を持ってお風呂に入りました。

カッターナイフです…

湯船の中で自分の手首をそのカッターナイフで切りました。

少しずつ湯船のお湯の色が赤みを帯びてきます。

興奮しだした彼女は自分の体中をカッターナイフで何度も何度も刺し続けました

…少しずつ少しずつ薄い赤から濃い赤色へと変わっていきました…

彼女は最後の至福を感じながら、死んでいきました…

どうですか?彼女がなんだかかわいそうだなと思った方は次の話もお読みください。

オレの友達のオカルト好きな史憲がまた怖い話をオレに聞かせてきた。

「で、この話はまだ続きがあって…」

「史憲、なんかその人、異常かもしれないけどなんだかかわいそうだな…ってか、ごめんごめん、

史憲の話、途中で遮っちゃったな!で続きって!?」

「……ん、やっぱいいや…」

「ごめんごめん、そんなすねるなって!じゃ明日にでも続き聞かせてもらうよ!

今日はこの後、バイトがあるんだ!じゃまた明日」

そこでオレたちは解散した。

そしてバイトから帰ってきたオレはいつも通り、夕飯を食べた後、風呂へと向かった。

時刻は23時を過ぎたくらいであった。

風呂に入ろうとした瞬間、急に携帯が鳴り出した…

携帯をみると非通知の電話がかかってきていた。

バイトで疲れていたオレは電話に出る気などなくそのままにしておいた。

そしてそのまま風呂場に入りシャワーを浴びた。

シャンプーを泡立て、頭を洗う。

目を閉じ、シャワーを浴びていると、気のせいか後ろに気配を感じる…

すこし気になったが気のせいだと思い、オレは目を閉じたまま、頭を洗い流し続けた。

次の瞬間、お湯の温もりとは別の温かみがオレの首筋を襲った…

人の吐息のような…

シャワーのお湯が目に入ってくるのをこらえ、目を開け、オレは後ろを振り向いた。

しかし気のせいだったのかそこには誰もいなかった…

洗面所を確認するが誰かが来た気配はない。

(気のせいか…)

「ふう…」

オレは溜め息ひとつして洗面所の鏡を覗き込んだ。

その瞬間、背筋が凍りつき、全身に鳥肌がたった…

鏡に映ったオレの後ろに髪の毛が異常に長い、赤い目をした女が立っていた…

そのままオレは恐怖のあまり、視線を動かすことは出来なかった。

その女の口がニタァと笑った。と同時に女は片方の手を振りかざした。

その手にはカッターナイフが握られていた…

ぐしゃ………ぐしゃ…………オレの体中が刺されていく…

意識が遠退いていく…

オレの弱った体は見た目からは想像できない彼女の強い力で湯船の中へと運び込まれた…

その後もオレは意識が薄れる中、至福の笑顔でオレの体中を刻み続ける彼女の姿を見ているだけだった…

オレの携帯に残された留守電が2件…

〈ありがとう…………かわいそうに思ってくれて……じゃあ今から行くね……… ヒヒヒヒヒヒッ〉

〈赤が足りない…………赤が足りない…………ヒヒヒヒヒヒ………………でもか わいそうに思ってくれる人いた……

………ヒヒヒヒ………待っててね……すぐそ っち行くから…〉

なのでここまで読んでくださった方は気をつけてくださいね

ちなみに僕は平気ですよ

これっぽっちも彼女のことをかわいそうとは思いませんでしたからね…

なんせ僕の作り話ですから……

さてお風呂の時間ですし、そろそろ行きますね…

あなたの場所に……

かわいそうと思ってくれてありがとう…

だって赤いのは僕の目なんですから…



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