後ろに・・・ |
幽霊の怖い話 File.6 |
投稿者 13ri@75? 様 |
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今日も残業で帰りが遅くなってしまった。 ずっと残業が続き、私は疲れ気味。 疲れているときには座って帰りたいけど、そんな時に限って電車は座れるほどには空いていないですよね。 座席が埋まってチラホラと立っている人がいるくらいです。 微妙だね。 いっそ混雑してればあきらめの付くのに。 ドアの所に立って流れ行く街の明かりや通過する駅を見ていた。 やがて電車は郊外を走っている。 ここまでくると、マンションや住宅の明かりばかりになってくる。 この辺は丘陵地帯なのでトンネルがいくつも続く。 トンネルにはいるとドアガラスには車内だけが映る。 ふと視線を感じた。 「あれ」って思ったときにはトンネルを出ていた。 ドアガラスは半分が外の夜景で半分が車内を映している。 ドアガラス越しに映っている車内をみても、私に視線を合わせている人などいない。 次のトンネルでも視線を感じた。 その次のトンネルでも視線を感じた。 あわててドアガラスに反射した車内の風景を見ると、私の真後ろに男性がいる。 「え?」っと振り向くと、誰もいない。 『痴漢? ストーカー?』 変質者だったらいやだな。何もなければいいけど。 この先に長いトンネルがあるので、じっくりと見てやるぞと決意したが、 いけないことをするときのように心臓がバクバクしている。 トンネルに入ると、今度も視線を感じる。 後ろを見るがやはり誰もいない。 改めてドアガラス越しに反射する車内の風景をみると・・・ 私の後ろにいる。 それは去年に死に別れた夫。 仕事で疲れている私を心配して見守ってくれている。 『ありがとう・・・私、がんばるから。』 ガラスに映る夫の姿を懐かしく見ていると、唇が動いた。 その動きは『早くこっちにおいでよ』って言ってる。 ★→この怖い話を評価する |
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