フスマの向こう側 |
幽霊の怖い話 File.22 |
投稿者 シムテック 様 |
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つい先日の夜。 僕が部屋で横になっていると、三歳の息子が駆け込んできて、出入り口のフスマをぴしゃりと閉めた。 しかも閉めただけではなく、必死にそのフスマを開かないように押さえている。 僕 「どうした?」 息子 「………」 僕 「何で閉めると?」 息子 「入ってくる」 僕 「何が入ってくると?」 息子 「オバケ」 息子は、居間から僕のいる部屋に入ってきたのだが、 その間にある廊下(玄関に続いている)から玄関を見たときに「何か」が見えたらしい。 僕 「どんなオバケやった?」 息子 「男の子やった」 僕 「怖かった?」 息子 「怖かった」 僕 「そのオバケ、怒っとったと?」 息子 「怒ってなかった。けど怖かった」 まだ息子はフスマを押さえている。 息子 「オバケ、まだいるかな?」 僕に聞いてくる息子。 僕 「お父さんが見てみるたい」 僕は息子にさがるように言うと、フスマを少し開け、頭を出し、玄関を見た。 そして再びフスマを閉めると笑顔で言った。 僕 「何もおらんよ」 息子 「本当?」 僕 「うん。さ、テレビみようか?」 そう言って僕がテレビに手をのばした瞬間、息子はスッとフスマをあけ、玄関を覗きこんだ。 瞬間、 息子 「うわぁあああああん!!!」 急いでフスマを閉め、僕に抱きつき泣き出す息子 息子 「オバケ、怒ってる!!オバケ、怒ってる!!」 頭をなでてなだめる僕。 僕 「大丈夫、大丈夫」 息子 「オバケ、怒ってる!!僕のせい?」 僕は笑顔で答えた。 僕 「違うよ、お前のせいじゃないよ」 そう……息子のせいじゃない。 きっと「見えないふり」をした僕のせいだ…… ★→この怖い話を評価する |
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