青白い

創作の怖い話 File.59



投稿者 でび一星人 様





飲みすぎた・・・

終電ギリギリに乗って、最寄の駅に着いた。

あぶないあぶない。

頭が半分透明な感じがする。

・・・ん。いかんいかん。 明日も仕事だ。残業だ。

なんとか僕は改札を出て、家路に着いた。

こんな時間だから、スーパーも閉まってる。

トホホ・・・。明日の朝ごはん、半額で買い損ねた。

仕方ない。

アパート前のコンビニで買うか。

・・とりあえず帰ろう・・・。朝は早い・・・。

いつもの帰り道。

線路沿いの薄暗い道。

いつもより時間は遅いが、いつもの道。

定時で帰れた時は帰宅途中のOLさんもいっぱいの道。

通勤時には、主婦っぽい方々が犬の散歩をしてる道。

けど今は誰も居ない・・・。

だってもう夜中の一時前だから・・・。

こんなときに、おばけって出るのかな?

なんて、あるわけ無いか。

酔ってる思考で、わけもわからず弱冠ハイな気分で歩いていると、

ん?

前から、女の人が歩いてくる。

こんな時間に、女の子一人。。。あぶないなぁ。

女の人との距離が縮まってくる。

今は十数メートルといった距離か。

そこでおかしな事に気付く。

女の人の顔。

            異常に青白い・・・

まるで、生きてる人間の顔とは思えない。

暗闇の中、その青白い顔がボーっと浮かんでるようにすら見える。

酔いが一瞬で冷める。

このまま駅まで引き返そうか?

そう思ったのだが、体がなぜか引き寄せられるように前にしか進まない。

10メートル・・・

8メートル・・・

5メートル・・・

距離はだんだん縮まる。

やっぱり顔は青白い。

見間違いなんかじゃない。

異常に青白い。

しかも、

うっすらと不気味な光を放ったような青さだ。

3メートル・・・

1メートル・・・

女の人の体もハッキリと見えた。

おかしな体勢だ・・・。

右手を変な角度で曲げている。

脇を締めて、手の先を、異常に顔に近づけている。

・・・そして、その手に・・・何かを握っている・・・。

・・・すれ違いざまに、その手に握っているものをようやく理解した。

そして、全ての謎が解けた。

その手に握られているもの、それは、

・・・携帯電話・・・。

この人、メールをしてる・・・

やたらと顔が青白い・・・。

・・夜中に歩きメールするの、やめてくれ・・・

マジびっくりするから・・・。

家に着き、自分の携帯を見ると、知らないアドレスからメールが着ていた。


     【私 の 顔 、 そ ん な に 怖 い の ?】



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