悲劇の仮面(1) |
創作の怖い話 File.40 |
投稿者 ストレンジカメレオン 様 |
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〈連続殺人事件!犯人はなんと浪人生!事件後、犯人の浪人生は自殺!極度のストレスによる狂気か!?〉 「犯人は浪人生でしたね、結局犯人の自殺で幕を閉じましたね、 我々警察としては負けってことになりますね、桜井さん!」 「負けとか勝ちとかじゃないでしょ!中川さん! 我々警察の仕事はいかに被害を最小限に抑えることじゃないですか! 今回の事件は拡大せずに良かった!だがまだオレはこの事件に関して気がかりなことがあるんだよ、」 仮面連続狂気殺人事件の特別捜査班としてオレと中川は事件の調査をしていたが、 犯人の自殺により特別捜査は幕を閉じることになった。 「さすが桜井さんですね、立派な意見ですね、まあ確かに我々警察の仕事は人々の平和を守ることにある、 けど僕は事件一つ一つ勝負していきたいんですよ!自分のプライドを賭けて! そうすることで事件と本気で向き合うことが出来るんです! ……………………………………………………熱くなって申し訳ない、 気がかりなことってのは古着屋の店長の自殺の件ですか?」 「勘が鋭いね、そうだよ、あの自殺した浪人生が大事にしていた仮面、 古着屋の店長もまったく同じ仮面を大切にしていたそうだ…… それに以前の自殺の記事を探してみたところ、仮面の持ち主だった自殺者が何人かいたんだ… これが単なる偶然とは思えないんだよ!………… それとそういうことなら勝ち負けにこだわるのも時には良いかもしれないな! そういう意味では個人的にはこの事件、まだ勝負はついてないんじゃないかなと思ってる。」 「やはりですか!!僕もそんな気はしますね!まだ調査を終わらせるのは早いみたいですね、桜井さん!」 「やはりそう思うか!…中川さん!オレはなんと言うか初めてこの事件であなたと組むことになって、 最初は馬が合わないかなと思っていたが、どうやら気が合いそうだ!」 「ふふっ!僕も同じこと思ってましたよ!それに負けは嫌いなんで! 形式的には僕らの捜査組は解散ですが捜査は続けていきましょう!! やはり僕は仮面自体が気になります、呪いやらなんやらは信じてませんが、嫌な予感は感じてます!」 「たしか仮面は証拠品として田原さんが管理してたよな!ちょっとオレ聞いてくるよ!」 「いや、桜井さん!田原は学生時代の僕の後輩ですから僕が田原の所に行ってきます! 桜井さんは仮面の事件が他にもあったか、さらに調べてもらえますか? もしかしたら事件に仮面以外の共通点があるかもしれないんで!!」 そしてオレたちは向かうべき場所へと向かった、中川は仮面の元へ、 私はさらに関連事件があるかを調べに資料室へ………… 資料室に着き、パソコンを起動させ、仮面の事件をくまなく探していった。 そしてオレはひとつの共通点を見つけた… それは自殺者の周りで当事者が自殺する前に殺人事件が起きていることである。 しかも事件の目撃者は必ず仮面をつけた不審者を見たと言っていること。 これは単なる偶然と言うことは出来ないだろう… だからと言って、仮面の呪いがあるということも信じ難い。 頭が混乱し始めていた… (そういえば中川のやつ、仮面を取りに行くだけなのに妙に遅いな…) 「ガチャ」 不機嫌そうな顔をした中川が資料室のドアを開けた、 「おっ!中川さん!待ってたよ! 信じ難い事実なんだが新しく共通点を見つけたよ!仮面は持ってきてくれたか?」 「桜井さん、遅くなって申し訳ない、実は田原のやつ、仮面をなくしたしまったみたいです… かなりきつく説教しときましたが、事件のキーになる仮面がなくなったとなると、少し痛いですね!」 「そうか……ちなみに中川さん、あなたは呪いと言うものが本当に存在すると思いますか?」 「さっきも言いましたが呪いなど信じてないです…まあ、しかしこの事件に関してはなんとも言えないですね」 「実は中川さんが仮面を取りに行っている間に、また新しく共通点を見つけたんだ… これがその共通点を書き出したものだよ、信じられないかもしれないが、ちょっと見てくれ!」 「こ、これは!……………つまり仮面の持ち主だった自殺者は必ず身近な誰かを殺しているということですか? そして最後は必ず、なんらかの形で自殺する……… 本当に信じられないような話だ……………仮面の呪い………か…」 「そういうことです!中川さん!…………だから仮面がなくなったのは、まずい! 誰かの手に渡る前に早急に見つけないと!!」 「そうですね!桜井さん!放送を流して仮面を見た者を探しましょう!」 ……だがこの日、仮面を見つけることは出来なかった… 「中川さん、結局仮面見つかりませんでしたね……オレはとても嫌な予感がしますよ… やはり仮面の事件は終わってやしない!むしろ始まったばかりなのかもしれない! 中川さん、この事件との勝負、絶対勝ちましょうね!」 「もちろんです!桜井さん、あなたと会えて良かった! 事件が無事解決して一杯やるのを楽しみにしてますよ!」 オレは苦手だった中川さんと息が合ってきたのがとても嬉しかった。 そしてこの事件の真相突き止め、事件に勝ちたいと思った、自分のプライドを賭けて。 家に帰ってもオレは仮面の事件のことで頭がいっぱいであった。 そしてありとあらゆる可能性を考えた。しかし呪いを信じる以外に答えなど無かった… そして次の朝、署に出勤したオレは信じられない話を聞いた…… 「中川さんが殺された!?それは本当か!?一体誰に殺されたんだ!?」 「分かりません、ただ目撃者からの電話によると、 仮面をつけた不審者が中川さんの自宅付近をうろついていたと…… こないだ犯人は浪人生ではなかったんですかね!?」 (なんで中川さん、死んじまったのかい、せっかくこれから一緒に事件と勝負していきたかったのに!! ………………………オレがきっとこの勝負勝ってみせるよ!中川さん!) 「そうか……こないだの犯人はたしかにあの浪人生だ…しかし事件に関連性があるのは確かだ! この仮面関連の事件、オレは引き続き捜査を続けさせてもらう!」 「桜井さん、その事なんですが上から伝達事項があって仮面の事件の捜査は打ち切りとのことです!」 「なんで!?おかしいだろ!また犠牲者が出たんだぞ!!」 「そんなことは分かりません!上からの命令ですから!」 「いやオレは続ける、上がなんと言おうとオレはこの事件の捜査を続けさせてもらう!!」 そう言ってオレは資料室へと向かった。 (なんでだ!?仮面の事件は終わっちゃいない!!なんで捜査を打ち切らなきゃいけないんだ! 中川さんは、呪いの仮面の持ち主に殺されたに違いない! 一刻も早く持ち主を見つけなかれば、また犠牲者を出すことになる!そして犯人自身も……………) そう思い、オレは仮面を管理してたはずの田原さんに話を聞こうと思い、田原さんを訪ねた。 「田原さん、中川さんが殺されたのを聞きましたか?」 「はい……」 「それで今回も仮面をつけた不審者の目撃情報があったことも知ってますか?」 「はい…昨日の朝、仮面をなくしてしまったんです…それで中川さんにきつく叱られました…とても反省してます。 今回の仮面の事件も私がなくしてしまった仮面と関係してるんでしょうか!?」 「かなりの確率で関係していると思われます。そこでなんですが最後に仮面を見たのはいつですか? またどこに置いたらなくなりましたか? あなたほどしっかりしている人がそう簡単に大事なものをなくすとは思わないのですが、」 「あんまり皆信じてくれないのですが……」 「田原さん!この事件に関しては信じられないようなことが実際に起きてるんです… 事実を教えてください!」 「はい…私は仮面を重要証拠品として、証拠品を入れるケースに鍵をかけて、 しまおうとしたんです…でも仮面を見ていたら、仮面をつけたくなってみたんです… 仮面をつけた犯人はどんな気持ちでこの仮面をつけていたのかが感じれるかなと思って… そして実際つけてみたんです、サイズは私の顔にとても合っていたのを覚えています。 どんなものか鏡で自分の姿を見ようと仮面をつけたままトイレに向かったんです… そして鏡をのぞいたら、私は仮面などつけていなかったのです… たしかに仮面をつけたままトイレに向かったんです!どこかで落としたか部屋に置き忘れたか、 探してみたのですがすでに仮面は行方をくらませていました…」 「……なるほど、田原さん、ちょっとこれを見てもらえますか? これは今までに関する事件の共通事項や重要事項を書き出したものです、」 「こ、これは本当ですか!?…………………… ま、まさか私は仮面に呪われてるわけじゃないですよね!?あれ以来あの仮面を一度も見ていないし!」 「そうだと良いのですが、無いとも言い切れません! だから気をつけてというか…なにか変わったことがあったら教えてください!」 「私が中川さんを殺したのかもしれない……んですか…確かに昨日、 中川さんにきつく説教されたとき、こんな奴!とは思いましたが、私は殺したりはしません!!」 「分かってます、もしそうだとしても悪いのは田原さんではないんです……悪いのは仮面なんです……」 「…分かりました……なにか変わったことあったら伝えます…桜井さん、頑張ってくださいね、そして気をつけて」 しかし、事態は意外な展開を迎えた… 「なんで…なんで…こんなことに…田原…さん…」 田原さんと話をして、一日経った今日、仮面が発見された…… 田原さんの自殺死体と共に… 「オレのせいで………オレのせいで…………また犠牲者を出してしまった…」 〈今回は警察が犯人!!またも警察不祥事!!内部で仲間割れか!?〉 「くそ!!この仮面事件の犯人は仮面のはずなんだ! 必ずオレがそのことを証明してみせるからな!中川さん、田原さん!!」 ★→この怖い話を評価する |
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