恐怖体験(10)

創作の怖い話 File.186



投稿者 でび一星人 様





モモマー。

ウチ、

アンタの話が聞けて、

ホンマに色んな事がわかったわ。

・・・ありがとうな!
















 トゥルルルルルル・・・

   トゥルルルルルル・・・



その時だった。

突然家の電話が鳴り響いた。

「はいはいwww今出ますよ〜www」

モモ天がそう言いながら受話器を取る。

「はいもしもしw?

・・・はい。


はいww

・・・えっ・・・。


父ちゃんが・・・亡くなった・・・?」



「えっ?」

ウチが驚いてモモ天の方を見ると、

モモ天は受話器をポトリと落とした。

――後日談――




モモマーは、

ウチと話をしたあの日、

既に意識が無く、病院で生死の境を彷徨っていたらしい。

それどころか、

その一ヶ月ほど前から、既に危険な状態だったらしい・・・。



 そんな状況で、なぜモモ天に連絡が来なかったのかというと・・・。












「この度は・・・父が大変お世話になりました・・w

連絡までしていただいて・・・w」


「いえ・・・真一は・・・私の夫ですから。」


そう。

あの晩、モモマーが亡くなったと連絡をくれたのは、

花子さんだったのだ。

モモマーが寝たきり状態になった一ヶ月前、

花子さんはたまたまその病院の清掃員をしていて、再会したらしい。

本当に熱心にモモマーを介護してくれたとの事やった。



・・・モモマー。

あんたは・・・幸せやったんやな?

きっと・・・幸せやったんやと思う・・・。



花子さんが去った理由をウチは聞かなかった。

ウチが首を突っ込むところや無いと思うたから・・・。




 今、モモ天は母親と一緒に暮らしているらしい。


これからも幸せに暮らして欲しいと思う。

あの日、

来れるはずの無いモモマーがウチらの前に顔を出したのは説明のつけようが無い出来事やったけど、

ウチもモモ天も、不思議と怖さは感じていない。

モモ天も、お墓に向かって「会いに来てくれてありがとうなw」と、涙目になって言っていた。






 モモマー。

モモマーはホンマに良エやつやったで。

天国に行っても、幸せにな!



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