怪談の夜 |
摩訶不思議な怖い話 File.37 |
投稿者 二階堂タカヤ 様 (mixiのコミュニティ「平成耳袋」の管理人様です) |
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これは私とクラスメイトの池上さんの体験談だ。 最近こちらに掲載した池上さんの怪談は、 仲良しクラスメイト達と出かけたキャンプ場で晩酌をいただきながら聞いたものなのだが、このキャンプ場での出来事だ。 つい先日、群馬県水上町の山奥にあるHキャンプ場、そこに仲良しクラスメイト12人で出かけた。 昼間はバーベキューやテニスをしたりキャッチボールをやったりと楽しい時間を過ごさせてもらったのだが、 夜になり、コテージで夕食を終えるとビールを片手に池上さんがぽつぽつと怪談を始めた。 池上さんの怪談ライブを聞き終えたところで、昼間の疲れもあり、各々床に付き始めたわけなのだが、 旅行先の夜というのは床についてもなお話が尽きないもので、 昼間の疲れもあったが私は左右で横になっているクラスメイトと他愛も無い話に興じていた。 私が寝ていたのはコテージ内のロフトで、玄関やキッチンの真上にあたるのだが、 階下では池上さんともう一人、クラスメイトの西岡君(仮)が眠りに付いていた。 既に室内は消灯されていて、暗い中で私は隣のクラスメイトと話をしていたわけなのだが、 階下でガサガサと物音がし始めた。 誰かが寝返りでもうったのだろうと最初は思っていたのだが、どうも寝返りにしてはうるさい。 騒々しく続く物音に、ロフトで寝ていた私達三人は階下を覗いてみた。 池上さんも物音で目を覚ましたのか体を起こしていたのだが、西岡君の布団を見て唖然としているのだ。 西岡君の布団がバタバタと動いていた。 まるで布団の中でもがいているように布団が波打っているのだ。 耐えかねたのか、池上さんは西岡君の布団をがばっとめくり上げた。 西岡君は寝ていた。 ずっとその姿勢で寝ていたかのように、丸くなって寝ていたのだ。 池上さんは西岡君を揺さぶり、大丈夫か?と声をかける。 目を覚ました西岡君は目を擦りながら、「え、何すか?大丈夫っすよ?」とだけ言うと再び眠りに入った。 その晩は別段、他に変わった事はなくそのまま朝を迎えたのだが、 朝のコーヒーの席で池上さんが昨晩の事を話してくれた。 池上さんが昨晩怪談話しをしている途中、窓から初老の男性が入ってきたのだという。 その男性は部屋の隅から私達を見下ろしていたようだが、 別段何かしてくる様子もなく、その内出て行くだろうと思い放っておいてそうだ。 だが、消灯後に物音で目を覚ました池上さんは西岡君の布団ががさごそと動き回っているのを見て粟立ったという。 西岡君の布団の上に、あの初老の男性が正座をして座っていたのだ。 その重みに抵抗するように布団が激しく動いていた為、西岡君が初老の男性から霊障を受けていると思った池上さんは、 思い切って布団を跳ね除けたのだ。 それと同時に初老の男性の姿は消え、布団の下ではまるで何事もなかったかのように眠る西岡君の姿を認めた。 池上さんは不安に思い西岡君を起こしてみたが、変わった様子もなかった為そのまま寝かせたというのだ。 一部始終を見ていた私としては、人生三度目の不思議体験である。 ★→この怖い話を評価する |
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