追跡者

摩訶不思議な怖い話 File.156



 投稿者 イケアツ 様





私が小学校3年生くらいの頃の話です。当時私は都営住宅の3階に住んでいました。

友達とは途中でお別れし、いつもの通学路を1人で下校していました。

家まで一直線の道に入りあともう少しで着くというところで普段は見慣れない黒いワゴン車が止まっており、

運転席にはキレイな外国人の金髪女性がいました。

その女性はニコニコしてこちらを見ていました。

知らない人とはいえなんとなく無視するのも悪かったので会釈だけして通過しました。

普通に歩いていると後ろからバタバタと激しい音が聞こえます。

驚いて振り向くと先ほどの女性が凄まじい形相でこちらへ走ってきます…明らかに私に狙いを定めて。

ビックリした私は慌てて逃げました。走りながら振り向くとまだ追ってきており、

しかも左半身が緑色のアザのようなものに覆われていきます。

いよいよヤバいと思った私は全力で逃げ続けました。

幸い家まで近かったため捕まることなく逃げ帰ることができました。

ドアの鍵を閉めて座り込むと外からは人間とは思えない声、言葉で叫びながらドアを激しく叩いています。

あまりの恐怖に私はドアの前でひたすら泣いていました。

しばらくすると音と声が止みました。「やっといなくなってくれた」と安心して私は自分の部屋に行きました。

部屋に入りランドセルを置きカーテンを開けました。

すると先ほど私を追っていた女性がベランダの外、つまり空中にいるのです。

「ここ3階なのにどうなってるんだ?!」私の頭はパニックでした。

もう最初の女性の印象とはかけ離れた化け物のような姿でした。

あまりの恐怖に硬直しているとその女性だった化け物と目が合いました。

すると化け物はとてつもない奇声を上げて落下していきました。

私はもうなにがなんだかわからなくなりその場に座り込みました。

しかし3階から落下していった化け物がどうなったのか気になった私は

窓を開けてベランダに出て下を確認しました。

ところが下にはなにもいませんでした。

もうなにがなんだかわかりませんでしたが「とりあえずもう大丈夫なんだ」と思ってしまいました。

安心して振り返り部屋に入ろうとした時、私は再び硬直しました。

部屋の中には私をまっすぐ見つめる化け物がそこにはいました。

その化け物は私が気づいたことに気づくとかすかに笑い、再びとてつもない奇声を上げました。


という夢を見ました。終わりです。

起きた時私は尋常じゃない汗をかいており、夢だというのにあまりにも鮮明に覚えていました。




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