うなじが丸見え

摩訶不思議な怖い話 File.121



ネットより転載





思い出したくない記憶があります。

数年前、友人と二人で泊まった旅行先のホテルでの話。

お風呂で髪を洗ってると、後方の入り口ドアが開いたらしく、スーッと冷たい風が入ってきました。

私は、友人が開けたのだと思って「何?」っと振り向きました。

ドアは20cmぐらい開いていて、そこからにゅーーっと人の姿が現れました。

うつむいてる様で、髪がバサーッと前に垂れていて、顔は全然見えません。

普通の人間ではないというのが一瞬でわかりました。

何故なら頭の位置がおかしいからです。

普通うつむいてもアゴが鎖骨に当たる程度しか首は曲がりませんよね?

でも、その人物は頭が肩より下、胸のあたりまで垂れ下がった状態だったのです。

うなじが丸見えでした。

私は頭の中が真っ白になって、気が動転したのでしょうね。

それに向かってシャワーをかけました。

すると、突然それはガタガタと肩でドアをこじ開ける様にしてバスルームに入ってこようとしたのです。

「ぎゃあーっ!!」って叫びましたよ。

思いっきり。

声にびっくりした友人が、「どしたの?」とバスルームのドアを開けて入ってきました。

その頭の垂れた人をすりぬけて。

そこで私は生まれて初めて失神してしまいました。

関係ないかもしれませんが、その霊(?)をすりぬけてしまった友人は、

ノイローゼ(理由は分かりません)からリストカットを繰り返し、とうとう一昨年他界しました。

お葬式で彼女の死顔を見た時、鮮明にあの時の事を思い出し、

悲しみより恐怖に駆られた事を覚えています。

考えすぎかもしれませんが、あの時私が叫ばなかったら、

友人は今も何事もなく生きていられたのかもしれません・・・。




★→この怖い話を評価する

作業用ヘッドライト


[怖い話]


摩訶不思議な怖い話3