おめでとう |
感動の怖い話 File.18 |
投稿者 二階堂タカヤ 様 (mixiのコミュニティ「平成耳袋」の管理人様です) |
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mixiでメッセージをいただいた女性、佐久間さん(仮)の投稿である。 佐久間さんは霊感が強く、ちょっとやそっとの霊は気合で退散させる事が出来るほどの力の持ち主だ。 そんな佐久間さんには、二歳年下の悠さん(仮)という従姉がいる。 佐久間さんと悠さん一家とは4年程一緒に暮らしていた事もあり、 佐久間さんと悠さんは本当の姉妹のように仲が良かったそうだ。 そんな悠さんだが、4年前、めでたく結婚する事となった。 妹のように可愛がっていた悠さんの結婚式とあり、 佐久間さんも思い出をたくさん残してあげようと、カメラ役を買って出たのだが。 不思議な事に、悠さんを写した写真にだけ白いシャボン玉のようなものが写りこんでしまうのだ。 悠さん以外を撮影したものには何も写りこむ事はなかったのだが、特に嫌な感じはないし、 後で画像を修正すれば消せる程度だ、とその時は特に気にも留めず、写真はそのままにしておいたそうだ。 悠さんの式が終わったその日の夜。 一緒に寝ていた佐久間さんのまだ幼い次男が、空腹を訴えて泣き出し、佐久間さんは目を覚ました。 式の疲れのせいもあり、母乳をあげる気分でもなく、佐久間さんはキッチンにミルクを作りに向かった。 キッチンでミルクを作っていると、不意に左側に気配を感じた。 見ては居ないがそこいるものがどんなものか、霊感の強い佐久間さんにはわかった。 三歳くらいの男の子、人間ではない。 『ここはあなたのいる場所じゃない、すぐに立ち去りなさい』 佐久間さんは強い口調で男の子の霊に向かって、意識を投げかけた。 「ちがう、ちがう、きいて」 だが男の子の霊は消えるどころか、逆に訴え返してきたではないか。 普段なら怒鳴って退散させる所だが、その男の子の姿を確認した佐久間さんは戸惑いを覚えた。 なぜなら男の子には顔がなかった。 正確に言えば、顔のある部分が見えない。 佐久間さんはこれまで様々な霊に遭遇して来たが、目の確認できない霊はいても、鼻や口は見えていた。 だが顔がまるごと見えない霊というのはこれが初めてだったのだ。 男の子は白いシャツに黒のズボン、正装という感じの格好をしていた。 なんとも言い難いやわらかな雰囲気だったそうだ。 男の子は佐久間さんにこう告げた。 『おかあさんにつたえて、さいごにもういちどぼくをおもいだして、そしたらぼくはいなくなるから』 その時、佐久間さんには男の子の言っている事の意味がわからなかった。 霊そのものに害がないと判断した佐久間さんは、 『早くここから立ち去るように』とだけ念を押し、背を向けた。 『おめでとうって・・・』 最後に男の子の霊はそう言い残し、気配は消えたという。 翌朝。 既に男の子の気配は消えていたが、佐久間さんは昨晩、男の子の霊が言っていた 『おかあさんにつたえて』『おめでとうって・・・』 という言葉が気になっていた。 実は、悠さんは結婚する3年前、以前付き合っていた彼氏との間に子供がいたのだ。 だが、当時の彼氏の両親に結婚を激しく反対され、悠さんは泣く泣く子供を堕ろした。 そして堕胎した子供は水子供養をし、彼氏と別れたそうだ。 もし、昨晩現れた男の子の霊が、悠さんの水子の霊だったとしたら? だが水子が成長をするなんて話しはそれまで聞いた事もなく、佐久間さんも考えた事がなかった。 それでも仮に水子が成長をするのだとしたら・・・ 昨晩男の子の霊が言っていた言葉も、見た目の歳も理解ができる。 しかし、結婚したばかりの悠さんにこの出来事を伝えるのも酷だと思い、 悩んだ挙句、佐久間さんは悠さんの母親、つまり叔母さんに電話で昨晩の出来事を話すことにした。 すると叔母は 『ありがとう。悠に伝えておくわ。悠は毎年欠かさずに遠くにある子供のお墓参りに行っているからね。 もう来なくても大丈夫だよって、子供なりの気遣いなのかしら・・・』 そう言っていたそうだ。 後日、悠さんから連絡があり、旦那さんと二人でお墓参りに行ったそうだ。 その時悠さんは確かに『おめでとう』と言う声を聞いたという。 それ以来、男の子は姿を現さなくなったそうだ。 ★→この怖い話を評価する |
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