タンス
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意味がわかると怖い話 File.94 |
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「お姉ちゃん、お母さんが怖いよ」
「大丈夫、私が守ってあげる」 私はそう言ってアザだらけの妹を抱きしめた。 私たち姉妹は母に虐待を受けていた。 父が死んで以来、母は精神的に病んでしまい、 自分が誰なのかすら理解できていないようだった。 そんなある日、学校から帰ると廊下に何かを引きずったような赤黒い跡。 と、ほんの一瞬、何かが視界の隅をよぎる。 赤い液体の滴る袋を引きずりながら、廊下の角を曲がっていく女。 あの青い花柄のワンピースは…母だ。間違いない。 袋の中身は…いやそんなはずはない。 赤黒い跡を追い掛けてみるとタンスの前で途切れていた。母の姿は見えない。 意を決してタンスを開くとそこには袋があった。 …恐る恐る袋を開けて愕然とした。 袋には夥しい数のぬいぐるみが詰まっているだけだった。 「そうなんです。私には妹なんていなかったんだ。そうなんですね?先生」 「はい、そうです。だが、あなたはまだ気づいていないことがある。」 私は混乱し、うつむいて青い花柄のワンピースのすそをぎゅっと握った。 ★→この怖い話を評価する |
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[怖い話] [意味がわかると怖い話2] |
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