江戸川

本当にあった怖い話 File.46



投稿者 しむけん 様 





今から14年前、僕が二十歳くらいの時の話です。

当時僕は千葉県の市川市で一人暮らしをしていました。

高校時代の先輩が江戸川を挟んで隣の浦安市に住んでいましたので

深夜によく愛車のママチャリで遊びに行っていました。

その時の出来事です。

先輩の住むアパートは僕が住んでいたところから自転車で約1時間のところです。

その時は引っ越してきたばかりで、周りに友達も少なく一番近くに住んでいる知人という事で、

週末はほぼ毎週の様に飲んでいました。
(先輩の家の冷蔵庫には常にビールが満タン状態だったのでタダ酒狙いも兼ねて)

夏の夜の10時過ぎくらいに、いつもの様に自転車を漕いで浦安に向かっている時、

普段と違う道を通ってみようと思い手前を曲がり江戸川の土手沿いを走ってみました。

それが間違いの元でした…。

初めて通る土手の下をノリノリで自転車で走っていると、ふと視線を感じました。

僕は自転車を停めて辺りをキョロキョロしてみると土手の上に子供が一人で立っています。

小学校低学年くらいの男の子。

半袖半ズボンです。

この時僕は別に何も考えず「なんだ子供か」と思いそのままスルーしました。

「親は土手の向こうにいるのかな?」とは思いましたが特に何も考えずそのまま走りだしました。

少し走ると再び視線を感じます。

今度はなんとなーくいやーな気配を感じ土手の上を見上げました。

すると…!

さっきの子供が再び僕を土手の上から見下ろしています。

「…なんで普通に漕いでいる自転車と同じスピードで子供が移動してるんだ?」

この事に気付いた時、僕は鳥肌がたちいやな汗が背中をつたいました。

「絶対、この世のモノじゃねぇ!」

後はもう全速力で走り始めました。

「早く横道に逸れなきゃ!」そう思い猛ダッシュしているとやはり土手が気になり上を見上げました…。



………


…!?


なんと!子供が僕の自転車のスピードに合わせて「すー」っと平行移動してるんです!

僕を見下ろしながら!

さっきもかなりの勢いで走っていましたが尋常じゃないスピードでママチャリを漕いで脇道に逸れました!

その後は何もありませんでしたがあの道はそれから通らなくなりました。




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