環七のライダー |
本当にあった怖い話 File.143 |
投稿者 イイフミ 様 |
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これは二年前の10月に体験した話です。 当時、大学生だった私は学校近くのコンビニで深夜のバイトをしていました。 その日は準夜勤(22時〜2時)で、埼玉の実家から通っていた私は、自分の車で帰路へ就くことに。 「じゃああと宜しく〜お疲れさま〜」 後輩の夜勤を残し、店を後にしました。 練馬区にあるバイト先からは、青梅街道を東に進んで環状7号線、 国道122号線を通るルートを使っていました。 秋の始まりで心地よい涼しさだったのですが、環七に入ってしばらくすると異様な寒気を感じて、 (風邪でもひいたのかぁー)と思いましたが、夜中だから、ただ寒いだけかと暖房でしのぐことに。 (とにかく、早く帰って風呂入って寝よ) 道も空いてたのでアクセルを踏み込みました。 環七を側道に入って122号線へ折れる陸橋の700メートルくらい手前で左車線へ。 車線変更を終えた直後に右側からバイクのエンジン音が突然聞こえてきました。 追い越して行くわけでもなく、ひたすら並走してきます。 右側をチラ見したら、ライダーがこっちを見ていました。 (なんか変じゃね?…) 側道も近付いていたので速度を落として、もう一度右側を見たんですよ。 (!!) ガラス一枚隔てたすぐ向こうにいたのはボロボロのフルフェイスを被ったライダー。 バイザーは割れてて、そこから見える顔は血だらけで白眼を剥いていました。 「帰りたい…帰りたい…帰りたいぃぃ!!」 窓ガラスをバンバン叩いてきます。 流石に車内で絶叫しました(笑) 分岐点まで80メートルくらいでとにかく振り切らなきゃという思いで 分離帯のギリギリを通過して122号線に入る交差点の赤信号で停止しました。 振り切れたらしく、姿は見えなくなっていました。 怖すぎて交差点にある交番に駆け込みたくなりましたが、降りるのも怖いし… (早くここから離れなくちゃ。) 家まではあと10分ちょっとだったので、車を走らせることに。 荒川大橋を越えて、脇道へ折れて、交差点で停止。 (ここまで来れば大丈夫だろ…) 煙草に火を着けて、窓を開けました。 車外に右手を投げ出して、煙を吐き出しました。 (しかし、なんだったんだろう…帰りたいってなんだろう…) 確実にこの世のものでは無かったのです。思い返す程、鮮明にあの声が蘇ってきます。 帰りたい、帰りたい… なんだかまた怖くなってしまって 「あーこわっ!早く帰ろ〜!」 と独り言を言っていました。 青信号に変わったので煙草をくわえて、アクセルを踏もうとしたら 「俺も家に帰りたい…」 右手を思いっきり掴まれていました。 自分でもそのあとどうしたのかはよく覚えてません。 翌日に気味が悪かったので、車に塩は撒きました。 ずっと環七から脱け出せずにいた霊だったのでしょうか? それ以降、環七は使っていません。 ★→この怖い話を評価する |
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