耳鳴り

本当にあった怖い話 File.139



投稿者 ナタガキサユマ 様





最近よく耳鳴りがなる。

マジでメンドくさいだーよー耳鳴り。

耳鳴りが始まったとき、わざと「あーーーー」と言って治まるようにしたけど効果ないんだよね。

とりあえず友達に話す俺。

俺「耳鳴りがさー、メンドーでさー、原因何?」

友人「耳鳴りは近くに霊がいる証拠だよ。気をつけな」

俺「は?マジで?」

友人「マジだって。耳鳴りしてるときに一点を集中して見てれば霊と目が合うらしいよ」

俺「合ったらどうなるんですか?」

友人「知らね。呪われんじゃない?」

俺「嘘くせー‼すっげー嘘くせーですよね‼」

友人「やってみればいいじゃん。嘘かホントかわかるぞ」

俺「おお~名案や~ん。霊を証明しよか~」

悪ノリは俺の悪い癖だからほっといて。

俺「耳鳴りは霊が近くにいる証拠?は、アホくさ」

その日の夜。

電気消してテレビだけつけて携帯いじってたのよ。

節電の夏やん。

でもさ。

テレビだけの光って結構怖いよね。

なんか嫌な雰囲気なんだよね。

幽霊いそうなんだよね。

だから願っちゃうもんね。

はい‼

耳鳴りなるな‼

耳鳴りなるな‼

耳鳴りなるな‼

耳鳴りなるなーーーー‼‼

(ピーーーーーーーー)

耳鳴り
キタ━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

霊も
キタ━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

のか⁈

とりあえず落ち着け俺。

ビビんな。

勇気だ。

テレビ消せ。

携帯はテーブルに置いて光を全部シャットアウトだ。

……幽霊見ようぜ。

最後の命綱のテレビを消す。

辺り真っ暗。

けどまだ耳鳴りタイム。

ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

すっげこぇぇ‼‼‼‼‼‼‼

いや、明日はヒーロー‼

幽霊見ようぜ俺‼

閉めてあるカーテンのちょっとした隙間を見る。

おい、ちょっと待て。

何でここチョイスしたの?

めっちゃ怖いじゃん?

でも集中してカーテンの隙間をずーっと見てた。

暗さに慣れてきてだんだん周りが見え始める。

カーテンの隙間の黒い部分が何か動いてるように見えてくる。

もーやだー。

何か黒い部分がグワングワンって。

錯覚だろうけど怖いんよ。

そしたらさ

見られてるような気がするわけ。

…じーーーーー…って

視線感じるわけよ。

でもとりあえず見続けてるわけよ。

なんか目ーそらしたら負けた気がするわけよ。

俺にも男のプライドあるわけよ。

そしたらさ。

目が合ったわけよ‼

いや、なんもいないよ⁈

なんもいないんだけど、感覚的に目が合った気がしたわけ‼

カーテンの外にいる人と‼

もー心臓バクバク。

ちょっとちびったかもって、確認する始末。

こういうときって平常心じゃないからわけわからん行動とるよね。

俺、なに考えたか知らんが『便所』に突撃。

あまりの怖さに

白い便器見つめた。

白い便器見つめた。

白い便器見つめた。

白い便器見つめた。

なんかドラクエみたいになったわけよ。

そしてさ

片手にサンポール持って

「トイレーにはー‼それはー‼それは綺麗なー‼女神様がー‼い!る!ん!や!でーーーーー‼」

ってマッハに磨き出したわけ。

綺麗になっていくわけよ。

便器が‼

マジ綺麗になっていくわけ‼


『ガンガン行こうぜ‼』

だったわけよ‼

でもさ

今、夜中なわけよ。

トイレの神様唱えたらダメなわけよ。

『呪文使うな』

に変更したわけよ?

じゃあやっぱり手も止まるわけ。

まあピカピカだからいいだろ?

でもさ、やっぱりなんとなく視線感じるわけよ。

「え、嘘⁈まだ汚れてた⁈」

よく見たら…………

ちょっと茶色があったわけ‼

『ガンガン行こうぜ‼』

はい‼

「トイレーにはー‼それはー‼それはー‼綺麗なー‼女神様がー‼い!る!ん!や!でーーー‼」

便器が白くなっていくわけよ‼

便器が白くなっていくわけよ‼

便器が白くなっていくわけよ‼

歌サビしか知らないわけよ‼‼

夢中で便器磨いてたらいつのまにか、視線なくなってた。

そしたら携帯が鳴ってるのに気づいた。

とりあえず

『いのち大事に』

にして

恐る恐る便所から出るわけ。

電気ソッコーつけてベッドにある携帯見たら。

非通知。

怖いやん。

やっぱ怖いやん。

でも出るしかないやん?

恐る恐る電話に出たのよ。

そしたらそいつこー言ったのよ。

『喋ったら殺しに行くから』って

とにかく言ってる意味がわからんわけよ‼

誰かわからん奴からの死の宣告なわけよ‼

ドラクエからFFになったわけ‼

もー怖い

もー怖いから友達に電話しようと思ってテーブルに置いた携帯を……

…あれ?

俺、携帯もってるやん?

携帯はベッドにあったぞ?

……何で?

って思った瞬間、ぞくっ‼っとしてさっきまで見てたカーテンの隙間を見た。

カーテンの隙間が広くなってる……

次の日、学校が終わって自宅に帰るためエレベーターに乗った。

自宅のある六階に着いて鍵開けようとしてたら携帯が鳴った。

………嫌な予感したけど携帯見たら

非通知

怖いけど携帯出た。

そしたら無言電話。

俺「……あの……もしもし…?」

相手「…………」

俺「……あの……もしもし…誰ですか?」

相手「…………」

俺「……おい‼お前誰だよ⁈ふざけてんのか?殺すぞ⁇ああー⁉」

そしたら相手側から『ポーン』って機会音がして

「『六階、に参ります…ドアが、閉まります』」

俺「え?」

『ポーン』

エレベーターが開いた。

中にいたのはフードかぶって包丁持ってる男。

「おまえ喋ったろーーーーー‼‼」

いきなり走って襲いかかって来た。

「うわあああ‼‼」

とにかく急いで家に入って鍵閉めたらドアを

ドンドンドンドン‼‼‼

ガシャガシャガシャガシャ‼‼

ドンドンドンドン‼‼‼

ガシャガシャガシャガシャ‼‼

って包丁で殴りつけてきた。

「なに喋ってんだよーー‼‼殺すっつったろーー‼‼」

もう怖くてどうしようって思ってたら外から「離せ‼」「触るなゴラァ‼」って叫び声が聞こえてきた。

覗き穴から外見たら、さっきの男が複数の男に取り押さえられてた。

……警察だった。

後から聞いた話によると、俺の部屋の上の住人が殺されてたらしい。

まだ調べ始めたばかりだったとき、下の階から騒ぎが聞こえて、行ってみたらフード男が包丁持ってウロついてる。

とりあえず取り押さえたわけ。

上の階の住人殺したのはやっぱりフード男で、持ってた包丁から殺害された人の血液が検出されたらしい。

警察が、なぜフード男が俺を襲ったのか?って聞いたら

『目が合ったから。』

だそうだ。

なんでも昨日、フード男は上の住人を殺したあと玄関に鍵を締めて、

ベランダから下の階の俺ん家のベランダに下りたらしい。

そんとき、中の様子をうかがってたら俺と目が合った。

殺そうと思ったら、俺がソッコー便所に逃げて唄歌ってる。

歌の途中で殺したら近所の奴が不審がると思い、我慢。

テーブルにあった携帯電話で俺の番号調べて、『喋ったら殺しに行く』と脅す。

けど次の日、警察がフード男自宅付近をウロついてる。

フード男、逆上。

俺を殺しに来る。

と、なったわけ。

実際に俺の携帯電話の指紋調べたら、俺とは別の指紋が出てきてフード男の指紋と一致したそうだ。

ただ、わからない事もあった。

不思議な事にもう一つ別の薄い指紋が出た事。

その指紋が殺された人の指紋だった事。

殺害されたとき、ちょうど耳鳴りが鳴り始めてた事。

フード男が、『携帯はテーブルに置いた』と言ってる事。

カーテンの隙間から

視線を感じる事。

………まだ……耳鳴りがする事…………




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