天井のお札

本当にあった怖い話 File.129



投稿者 ねこ太郎 様





これは小学校の修学旅行で、俺が実際に体験した話です。

2拍3日の旅行で

一泊目はわりかし立派な旅館に泊まったんです。

広い和室を、ふすまで2つに区切って

こっちが男子、こっちが女子っていう風に寝たんです。

ここまでは、まぁ、全然何もなくて、普通に楽しかった。

2泊目はちょっと移動して、ホテルと旅館の中間みたいな宿泊施設(3階建て)に泊まったんです。

5〜6人で一部屋与えられて、みんなテンション上がってた。

俺たちのグループは確か、2階の一番突き当たりの部屋で、入ってすぐ、みんなで騒いだんです。

俺が「額縁の裏にお札張ってあったらヤバいらしいよ」って言って

みんなで見た。

でも何もなくて、

つまんねーなぁ。みたいな会話したのをよく覚えてます。

でも俺は、『そういうこと』をよく知る叔父さんに教えてもらっていたんです。

実は額縁の裏、では有名過ぎるから、本当にヤバい所は、和室なら押し入れ、洋室ならベッドの裏、と。

少なくとも俺は、そう聞かされていました。

そこは8畳くらいの和室で、部屋に入って左手に押し入れがありました。

みんなが楽しそうにしているのを横目に、こっそり押し入れを覗きました。

あったんです。

天井にべっとりと1枚。

でも、みんなには言いませんでした。

雰囲気、悪くしたら悪いと思って。

今、考えたら

その時に先生に言うとか、やりようがあったんですが。

その夜、俺たちのグループ6人全員で、いろんな話をしていました。

先生が見回りに来てもいいように部屋を暗くして

布団をかぶって円になって。

クラスで好きな人。

先生のものまね。

ちょっとHな話とか…いろいろ。

で、定番なんですが

怖い話をしよう!ということになって。

みんなで、次々に出しあってたんです。

そしたら、1人が気持ち悪いと言い出して

じゃあ俺が医務室(先生たちの部屋の隣にあります)に連れていくわ。って男子が1人手をあげて。

計2人が抜けました。

「どうする?」

「もうやめようか?」

「いいじゃん、もっと聞かせて」

「ん〜、そうだねぇ」

誰ともなくひそひそと話して、

結局、怪談を続けていました。

すると、もう1人、気持ち悪いと言い出したんです。

じゃあ、俺がついていく。ってまた1人の男子が手を上げて。

また2人、出ていきました。

俺が、「もう止めよう、なっ?」

と、電気をつけると

そこには、誰もいませんでした。


びっくりして立ちすくんでいると

気持ち悪くなった人に付いていった2人が帰ってきました。

あれ?もう1人は?

もう1人って、誰?

あいつとあいつが気持ち悪くなって、お前らが付いていったよな?

あれ?あれ!?

修学旅行のしおりをみんなでめくって確認すると

俺たちのグループはもともと5人だったんです。

もしかしたら、あのお札…。

部屋の中に、もともと1人いたんじゃないか。

って思って、みんなにその話をして、先生に部屋を変えてもらいました。

これは後日談なんですが

最初の2人が抜けたとき。

怪談をやめようしたとき。

「いいじゃん、もっと聞かせて」

と言った人が、未だに誰かわからないんです。




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