幽霊アパート(3)

幽霊の怖い話 File.18



投稿者 ミソジ37 様





俺が、東京に住んでいた頃、池袋界隈で酒を飲んでは泊めてもらっていたアパート。

いつもなら、酔っ払って爆睡してしまうが、その日は他にも泊まる友人がいて、

皆で話をしながら、二次会と称して部屋飲みになりました。

玄関を入るとちょっとしたキッチンのある、1Kのアパートです。

夏だった事と、喫煙者が多かった事もあり、

部屋とキッチンを隔てる扉は開けっ放してあり、俺の位置からはキッチンが丸見えでした。

飲みながら、他愛のない話をしていると、視界に入るキッチンの方で、何かが動きました。

気にも止めず、談笑を続けていると、また俺の視界に動く影が入りました。

何かいる。と思いつつも談笑。

すると、頻繁に影が視界に入るようになり、流石に気になりはじめます。

酒もすすみ、座っているのが嫌になった俺は、寝そべって談笑を続けることに。

会話を続けながらも、先ほどから頻繁に動く影が気になっているので、

キッチンを注意深く見ていると、ハッキリ見てしまいました。

その部屋にはいるはずのないオッサンを。

「おい、B、キッチンに……」と言いかけたところで、Bが「ミソジさん……見えますか?」

「この部屋、出るんです。」と他の奴らには聞こえないように耳打ちしてきました。

他の奴らをイタズラに怖がらせない配慮かと思っていたが、違いました。

数秒後、寝そべっていた俺の目の前、テーブルの下に、オッサンの生首が転がってきて目が合いました。

悲鳴と共に飛び起きると、Bが「聞こえていたみたい」と呟いた。

影に、見えていることが悟られると、その人間の前に現れるらしいです。だから耳打ちしたのだと……

それ以来、泊まりに行かなくなりました。



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