でびるーるすまん(9)

創作の怖い話 File.240



投稿者 でび一星人 様





シャーッ。


自動ドアが開く。


「いらっしゃいませえ!!!」


男性スタッフ数人が同時に頭を下げる!



…と、ほぼ同時だった。


「あぁああああ!!!」


突然、接待相手が声を荒げて後ろにいるオレの方を向いた。


「ど、どうされたんですか??」




「ワタシ、大事な用を思い出しましたぁ!!!

ちょっと帰ります!!!


あっ、アナタはこの店、行って来てください!!!


また次の機会に感想聞かせてもらいますから!

ヒョヒョヒョ!」


「えっ?ええ〜〜??」


「じゃ、健闘を祈ります!ヒョ〜〜ッヒョッヒョ〜!


…あっ、そうだ。


オススメの女の子がいるんですよ。


【京華】って子です。


物凄く優しい子で、アナタと話が合うはずですよ!


…じゃ、ワタシはこれで…」



接待相手はオレに二万ほど渡し、夜の街へと消えていった。





「ちょ…ちょっと…」


二万を握り、呆然と立ち尽くすオレ…。



「…あの、お客さん?お連れの方帰ってしまわれましたが…どうされます?」


スタッフがオレに言った。


「あっ、あぁ。行きますよ!」


…次に合った時に感想言わなきゃいけないしな…。


…内装の色とか聞かれたらアウトだし…。



「ご指名はありますか?」



…接待相手のオススメの子と話でもするか…。



「きょ、京華さんって、いけます?」


「あぁ!京華さんですね。今ちょうど空いたところですよ!どうぞどうぞ!ご案内します!!!」



…ふぅ。やれやれ


…でも、ま、オレには妻だけだから、何もしないぞ!



妻よ!!愛しているぞ!!!!

オレはスタッフに案内され、こぎれいな廊下を歩いていった…。



★→この怖い話を評価する



[怖い話]


[創作の怖い話5]