お姉ちゃんバイバイ |
摩訶不思議な怖い話 File.93 |
投稿者 イタコッティ 様 |
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友人から聞いた話。 彼の知り合いの女性Aさん。 彼女はいわゆる「見える人」らしく、友人間では有名とのこと。 そのAさんが高校生のときの話。 秋口のある日、いつもよりちょっと帰りが遅くなっため近道を歩くことに。 その道は途中、小さな墓地がある。 そろそろ陽も暮れかけてきた時間、その墓地の前を通りかかったとき・・・・。 何気なく中に視線を移すと子供の姿が。 年の頃なら小学校低学年くらいか。 特に不気味な感じもなかったのでAさんは中に入り、 その子供に「もう遅いからお家に帰んなきゃね」と声をかけた。 「うん」と子供は素直に答えた。 多分この辺の子供だろうと思い「ボク、お家はどこなの?」とAさんが尋ねると 「ココ」 と目の前の墓を指差した。 この時点で何やら気味が悪くなり「それじゃお家に帰るんだよ」と言い残しAさんは墓地を出た。 「お姉ちゃんバイバイ」 子供は墓地の入り口のところに立って手を振っている。 「うん、バイバイ」と彼女も手を振り返した。 なんだ、普通の子供じゃないか・・・安心した。 歩くにつれて墓地は遠くなっていく。 それでもその子供はまだ手を振っている。 「お姉ちゃんバイバイ〜!」 もう何度も叫んでいる。 その都度Aさんは振り返り、手を振り返していた。 しかしもう墓地からは数百メートルも離れた。 子供の声がほんの微かにしか聞こえなくなったとき、手を振り返すのをやめた。 「お・・・ちゃ・ん・・・イ・・バイ・・・」 もういいよね。 そう思った瞬間だった。 バン!と背中を叩かれた。 「な・・・なに!?」と思って振り返るとあの子供が真後ろに立っている。 「お姉ちゃんバイバイって言ってるでしょ!」 あの距離を、こんな一瞬でどうやったってここまで来られるはずがない。 Aさんは混乱した。 しかしここからまずは離れなければ・・・。 「あ、ゴメンネ・・・」 精一杯の作り笑いで小さく手を振り小走りで帰った。 それ以降、その近道を通ることはなかったそうです。 ★→この怖い話を評価する |
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