出ていって |
摩訶不思議な怖い話 File.89 |
投稿者 シムテック 様 |
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その夜、僕は居間に置いてあるパソコンでネットゲームをやっていた。 0時を過ぎたあたりだったと思う。 ふと、背後に気配を感じ、振り向くと…… 隣の部屋で寝ていた息子が立っていた。 そして僕を見ながら言う。 「喉が乾いた」 僕は一瞬、頭が真っ白になった。 ……が、冷蔵庫を開けて、コップに冷やしたお茶を注ぐ。 そしてそのコップを息子に手渡しながら言った。 「これを飲んだら出ていって」 息子は「うん」とうなずくと、コップを両手で受け取りゴクゴクと一気に飲み干す。 そして、コップを僕に返し、 「ありがとう」 というと、トコトコと歩いて部屋に戻り、また眠ってしまった。 息子は当時一歳になったばかりで、まともに歩くこともしゃべることもできなかった。 翌朝、目を覚ました息子は普段とまったく変わりなかった。 どうやらちゃんと「出ていって」くれたようである。 ★→この怖い話を評価する |
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