職務質問 |
摩訶不思議な怖い話 File.57 |
投稿者 二階堂タカヤ 様 (mixiのコミュニティ「平成耳袋」の管理人様です) |
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二年ぶりに会った友人が、板倉(仮)さんから聞いた話だ。 板倉さんの実際の経験なのだそうだ。 板倉さんはかなりの心霊マニアで、一人で心霊スポットを飛び回っている人だ。 一昨年の6月に青樹ヶ原にドライブにでかけた板倉さんは、明るい内に遊歩道を散策し、 それから一晩、青樹ヶ原で車中泊をする事にした。 もしかしたら何かあるかもしれないという好奇心から、深夜になるまで待ち、 国道から少し入った場所に車を停めて一眠りする事にした。 いつの間に眠っていたのか、板倉さんは車の窓を叩かれる音で目を覚ました。 懐中電灯の光で車内が照らされ、それに続いて男の声が呼びかけてくる。 「ちょっと、こんなとこ車停めてどうしたんですか?」 よく見ると、男は警察官の格好をしている。 板倉さんはしまったと思いながらも車の窓を開ける。 「ちょっと、聞きたい事あるからついてきてくれる?」 警察官に言われるままに板倉さんは車を降り、歩き始める警察官の後に続く。 面倒な事に巻き込まれたと思いながら、 早足でどんどん先に行く警察官の後を追いかけると、板倉さんは不思議な事に気づいた。 道とは反対側に向かっているんじゃないだろうか? どうにも足場が悪い。 暗くてよく周りがわからないが、明らかに舗装された道ではないようだ。 そんな場所なのに警察官は苦もせずにどんどん先に進んでいく。 不安になった板倉さんは警察官に声をかけた。 すると懐中電灯の明かりがこちらを照らす。 「そこにパトカー停めてあるから」 警察官はそれだけ言うとまた前に懐中電灯の明かりを前に戻してしまった。 相手は警察官だ。 黙って車に引き返してもまた何を言われるかわからないし、警察官を信用しないわけにはいかないだろう。 板倉さんは黙って警察官についていく事にした。 どんどん足場が悪くなっていく。 しかも随分と距離を歩いているように感じる。 不意に板倉さんは何かに足をとられ、バランスを崩した。 木の根か何かにつまずいたのかと視線を下に下ろし、前に向き直ると、警察官の姿がない。 目の前を歩いていた警察官だ。 そう見失うはずがない。 だが、どこを見回しても警察官の姿はおろか、懐中電灯の明かりさえ見当たらない。 突然どこかもわからない場所に置き去りにされてしまった板倉さんは、焦った。 夜目も利かない闇の中で右往左往しているうちに、人の叫び声が突然あがった。 何事かと板倉さんが身を縮めていると、さらに叫び声があがった。 闇の中から叫び声が次々とあがる。 いったい何人いるのか、四方八方から断末魔のような叫び声が上がり、板倉さんはそこで意識が途切れたようだ。 目が覚めると、板倉さんは樹海の中にいた。 どうにか樹海を出ようと歩き回っているうちに、板倉さんは程なく国道に出る事ができた。 私の友人も、板倉さんから樹海だけは絶対にやめておけと言われたという。 警察官に樹海の中に連れて行かれたという話は様々な樹海の怪談の中でも初めて聞いたケースだ。 ★→この怖い話を評価する |
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