あなただれ? |
摩訶不思議な怖い話 File.139 |
ネットより転載 |
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この間台風が来て思い出した話。 一人暮らしを始めたばかりの頃、俺の住む県に台風が直撃した。 その夜は眠りをさまたげるほど、風がびょおお、と音を立てて吹き荒れ、俺は眠れずにいた。 そんな時だ。 突如玄関のチャイムが、ピンポン、と鳴った。 こんな夜中に誰が?と思いつつ、俺は覗きレンズを覗き込んだ。 人がいる。 ぎょっとしたが、声をかけた 『どなたですか?』 「おう、○○、俺だよ」 『あれっ!?何だよお前、連絡もなしに』 その声は俺の友達の声だった。 外が暗いのと、帽子を深々とかぶっているので、顔がよく見えないが。 だが、そんなことはどうでもいい。 相手が友達だったという安心感に、 『それにしてもお前、この嵐の中よく来たなあ』 などと言いながら鍵を開けはじめた。 だが、俺はそこで気が付いた。 (一体どうやって、この嵐の中を徒歩で来たのだ・・・?) 彼には運転免許がない。 バスで来たとしても、バス停からここまで、少し歩かなければならない。 それに、こんな風の吹き荒れる夜に遊びに来るやつはまずいない。 一体何の用が・・・? 俺はまた覗きレンズを覗いた 『お前どうやって、ここに来たんだ?』 すると彼は、数秒の沈黙の後、顔面を思いっきり覗きレンズに近付けてきた。 顔がロウ人形の様に白く、目だけがリモコン操作されたようにギョロギョロとしていた。 それは俺の知っている彼ではなかった。 いや、それどころか《それ》は人ではなかった。 そして《それ》は、口をこれでもかとばかりに横にひろげ「にいぃっ」と笑った。 俺は腰が抜け、その場に座り込んでしまった。 少したって我にかえると、急いでその友達に電話をした。 当然ながら、彼は来ていないと答えた。 その夜は、ますます眠れなくなってしまった。 ★→この怖い話を評価する |
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