オルゴール

本当にあった怖い話 File.31



投稿者 津夜志 様





今回はドライブの話。

夜、私は何故か外に出掛けたくなる衝動に駆られる時が有る。

そんな時は、決まって妹を連れて私の運転でドライブに出掛ける。

別に目的地はなくて、知らない道を走るのが好きだった。

その行く先々で、気になる店や、場所が有ると、立ち寄ったりする訳だが…

その時は、広く大きな公園が目に入り、行ってみる事にした。

車を出て、公園の中を探索していると、キレイにライトアップされた大きな橋が見えてきた。

橋の下は大きな川。橋の大きさは、およそ100メートル位。

妹「キレイだね〜今度は彼氏と来よう♪」

私「だね〜。凄いキレイ。」

妹「そぉだ!写メ撮ってあげるよ♪」

橋を渡ながら、妹が写メを撮ってくれる事になった。

妹「ハイ!チーズ♪」

写った私の顔はブレてグチャグチャ。

私「あ〜ぁ、ダメじゃん(笑)」

妹「…おかしいなぁ。消しとこっ。」

橋を渡りきると、向こう側は真っ暗。街灯一つ無く、有るのは背の高い文字盤の光る時計のライトだけ。

何故だか不穏な空気に、2人とも固まる。

私「なぁ、なんかヤバくない?」

妹「うん、なんか…」

どこから途もなくオルゴールの様な音が鳴り始める。

よく見れば橋の脇にスピーカーが付いていて、そこから流れているらしい。

しかし、音が鳴り始めてから、鳥肌が止まらない。しかも全身ではなく、

足だけ。

妹「…ヤバい。ヤバいヤバいヤバい。」

妹は急に私の腕を掴んで橋を引き返していく。

ひたすら前だけを見て早足で。

私は後ろを振り向いた。

向こう側からライトが消えて行っている!

無我夢中で、妹を逆に引っ張りダッシュ。

元の場所に戻り、もう一度橋を見ると、音は鳴っているが、電気は全て点いている。

私「…なんで?」

妹「何が?」

私「なんでもねぇ…なんかさ、コッチに戻って来る時さ、足の鳥肌が止まらなかったんだよね(笑)」

妹「あぁ〜ヤッパリ気付いた?アレね、

橋の下から這いだしてたもん。」

なるほどね。

何が?

とは聞けなかった。(笑)

むしろ、想像ついたので聞かなかった。

後で知った事が二つ有る。

1つ目は、あのオルゴールの音。閉園時間になると鳴りだす音らしい。

閉園時間は21時。

2つ目は、消したはずの私のブレてグチャグチャ写メが、保存されていた事。

2つ目は妹のミスかも知れないが、ここで1つ謎が残ってしまった。

私達が橋を渡って見た、時計の文字盤。音楽が鳴り始めた時間は、20時45分なのだから。




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