緑色のワンピース

本当にあった怖い話 File.27



投稿者 とらこ 様





私が高校生の時の話なんですけど、

当時私は8階立てのマンションの角部屋で姉と母と三人で暮らしてたんです。

2LDKの部屋で姉は隣の部屋、母と私は一緒の部屋で、

母は夜の仕事もしてたので夜の内に帰ってくる事は結構稀やったんで、

寝る以外は私の一人部屋みたいな感じでした。

それで、私は結構どこでも寝てしまう体質(?w)なんで

当時真冬だった事もありこたつで寝てしまう事なんてしょっちゅうでした。

その日もその日で漫画を読み終わった後こたつで寝てしもたんです。

電気もつけっぱなしで。

しばらくするとふと目を覚ましたんです。

「あ、電気消そう…」と目を開けた瞬間、私は凍りつきました。

私が寝ているすぐ側で、緑色のワンピースを着た髪の長い女の人が私を見下ろしてました。

電気もついてるし明るいはずやのに顔だけが暗くて、

肌の白さや緑色のワンピースは電気の光を反射するくらいにはっきり見えるのに、

顔だけが見えません。

(なんでこんな所に知らん人いるんや!)

当時霊とかまったく信じてなかった私は「誰やねん!」と

言おうと思って起き上がろうとしました。

そしたら、体が動きません。言葉も「カッ…」って言う感じで

喉から空気が出て行くだけみたいな音しか出ませんでした。

多分あれが俗に言う金縛りというものなんでしょうね。

私はそのとき始めて自分が霊体験してる事を自覚して、もう恐ろしくて恐ろしくてたまらなくなりました。

相変わらずその女の人は側におるし、

しかも私は動く事ができないからその人から目を離す事も出来ない。

そしたらその女の人はゆっくり動き出して、手を伸ばしてきたんです。

私の顔に向かって。

私はもう本能的に「あ、これはもう触られたら終わりや」と

思って必死に動こうとしたんですが当然動きません。

そんなんしてる間にも女は手を近づけてきます。

半泣きになって「助けて助けて助けてー!」と思ってたら、

後ろで私を誰かが引っ張ったんです。その女から遠ざかるように。

引っ張ってくれた人物を私は(お母さん?)と思ったんですが、

その瞬間に夢から覚めたように体が動きました。

母はまだ帰っていなかったし、その女も消えていました。

電気は相変わらず、つけっぱなしやったし、

鮮明すぎるくらいに緑色のワンピースが脳裏に焼き付いていました。

そこから、ちょっとだけだけど霊に敏感になったような自分が

います。あそこまではっきりと見えたりはしてないんですが…。

あの女の人は何やったのか、引っ張ってくれた人は誰なのか。

今でも思い出すと怖いよりも少し不思議な気分になります。



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