誰だこいつ

本当にあった怖い話 File.103



ネットより転載





昔あった事を簡単に話してみる。前置きが長いが、ちょっと聞いてくれると嬉しい。

始めに言っておくが俺は正気だし、脳の病気を抱えてたりはしない。

丁度今頃の時期。何か連絡しなきゃいけない事があって、出先から電話をかけようとしたら、携帯が無かったんだ。

仕方ないから電話ボックス探して、十円玉を入れ、電話。

電話が終わって電話ボックスから出ようとしたら、人が出入り口の前に立っていた。

電話待ちかと思って「あ、すいません」って小さく言って、電話ボックスから出てさっさと行こうとしたら、腕を掴まれた。

え?って感じで振り返ると、俺(179.9cm。惜しいw)の胸くらいの身長の人がいた。

黒いパーカーを着てて、小柄というかげっそりと痩せてる感じの人。顔は俯いててよくわからない。

時間はもう夜中だし、辺りは暗い。危ない人かと思ってちょっと怖くなった。

「なんですか?」

って言っても、その人はただ俯いてるだけで何も言わない。

フードの下、何とか見える顔の下半分。口許が引き攣っている。

気味が悪くなった俺は、手を払ってその場から逃げだした。

それで、ここからが本番。

それから暫くしてから、仕事が休みの日に久しぶりに友達と飯を食いに行った。

予想出来ると思うけれど、その友達が霊感強い人。

とりあえず行きつけの食堂でラーメンとカツ丼セットを食べて、店を出てからさぁ何処に行く?

って話をしながら車に戻ろうとしたら、駐車場で別の友達とばったり会った。

(次から霊感強い友達をA、ばったり会った友達をBと書く。)

「おお、ひさしぶり」

って感じで、Aを放ってBとの話に花を咲かせた。

暫く話して、AをBに、BをAに紹介しようとAの方を見た。

Aが、Bを睨んでいる。

放置してキレたか?悪かったとは思うが睨むことはないだろう。

むっとした俺はそのことを言おうとしたが、Aに出鼻を挫かれた。

「誰だよコイツ」

今から紹介しようとしてんじゃねぇか!

そう思って、

「こいつは、」

言葉が出ない。

始めにあれ、っと思った。次に誰だっけ、って考えた。そして、鳥肌が立った。

誰だこいつ。

怖くなった俺は反射的にBを振り返った。

さっきまで笑顔で話していたBは、俯いていた。俯いた顔の口許が引き攣っている。愕然とした。

「行くぞ」

Aが俺の腕を引く。はっとした俺は運転席に急いで入って、食堂の駐車場を出た。

「お前、アレはよくねーよ。変なもんに気に入られたな」

なんとかしてくれよ、と言うと、

「無理。取り憑かれてるわけじゃないし」

取り憑かれてればなんとか出来るのか? と聞くと、

「なんとかするために取り憑かれてみるか?」

と返された。

それ以降、俺は度々Bに遭遇し、場合によってはAの家に逃げ込む羽目になった。

つい昨日、会社帰りに遭遇したので書き込みたくなった。

読んでくれた人、ありがとう。

見てる分には怖くないかもしれないが、本人からするとほんと怖いんだよ。




★→この怖い話を評価する

爆光!LED懐中電灯専門店


[怖い話]


[本当にあった怖い話3]